先生と生徒
「生徒目の前にして見過ごせるわけないだろ?」
「さっすが、先生!」
「…おだてても、もう何も出ないからな?」
良くんがはやしたて、皆で笑う。
今日は変な日。
Wデートに先生と翔くん。
…すごく変わったけど、すごく心地いい。
「…今日は何も乗れなかったな?」
観覧車に向かう途中、和也がポツリと呟いた。
「明日、何か乗ろうか?」
「帰るまで、楽しむか♪」
「そうでなくっちゃねっ♪
…って、あれが観覧車?」
いつの間にか目の前には大きな観覧車。
「これこれっ♪すごいいい眺めなの♪
1周するのに…えっと…30分くらいだっけかな?」
「そんなに?」
「まぁ、それくらいだって♪」
"ねっ並ぼっ"
良くんの腕を引きながら私たちに話しかける。
「待ってよ華っ」
"和也、行こ?"
そう言って、私も和也の腕を引いた。