先生と生徒


「…1時間だって」


最後尾について、待ち時間を確認。


「今、5時だからちょうどいい時間だし、文句言うなっ」


「ま、そっか♪」


華と良くんの会話を聞きながら隣の和也をふと見る。


「…どうかした?」

「や、間近で見ると高いな…って思って」


「……もしかして、和也、高所恐怖症?」


「…3年くらい前までは」


「3年前に何があったのよ」


「や、別に何もなかったんだけどさ、3年間、観覧車とか乗ってないし、高いところ行っても平気だったから大丈夫かなーなんて…」


「…乗らなかっただけで、高所恐怖症は治らないでしょっ」


「…きっと、大丈夫な気がする」


「どこからくんのよ、その自信っ」


「マキがいるから?」


「…意味不明っ」

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