先生と生徒
「ま、乗ってみなくちゃ分かんないってか?」
後ろにいた先生の声に二人して驚く。
「…そんなに驚かなくてもな」
"なー"と翔くんの頭を撫で、賛成を得ようとしていたが、
「マキの見方だもん!」
私に軍配はあがった。
「…翔、酒井になつきすぎだだろ…」
「お父さんが何捻くれてんですかっ?」
「捻くれてなんかないけどな。
邪魔かとは思うけど翔も一緒に乗せてやってくれないか?」
「大丈夫ですよっ、ね?和也…?」
「ま、いいけど…
じゃあ、先生はどうすんの?」
「…
悪いけど、俺もいいか?」
「大丈夫ですよ」
"ねっ"と和也の腕をツンツンと肘でつく。