先生と生徒
「今朝、幸せだなと思いました…」
「そっか。
んー、なら次の質問!…酒井は、誰かに甘えれてるか?」
「甘える?」
「前にも言わなかったか?誰かに甘えてもいいんだ、って」
「記憶にありません…」
「そうか。なら、もっかい言うぞ?」
「はい」
「酒井の周りにはいっぱい人がいる。
稲原だっているし、友達だって、先生だって、いる。家族だっている。
そんな人たちに妙なレッテルを張らなくても大丈夫。酒井の話を聞いて、酒井と一緒にいて、嫌になる人なんていないから、怖がらずに話してみな?甘えてみな?酒井は、人と距離を作りすぎなんだよ」
あくまで子どもをあやすような口調で。
柔らかい微笑みで。
優しい笑顔で。
私の闇を照らしてくれたのはこの人なのかもしれない。
私に手をさしのべてくれたのは、華でもなく、和也でもなく、先生だったのかもしれない。