BEST―FRIEND
第1章 公園
  《友達以上、恋人未満》


そんな関係があるのなら、きっと何か理由があるはずだ。


恋人になる事で別れが来るなら1番大切な
人とは、この曖昧な関係でずっと一緒にいたいと思う。


〔私は今、好きな人に会えるだけで幸せを感じる………。〕




『俺に恋愛感情があるなら

  もう会うのはやめよう。』



その言葉を聞いた時、俊樹に対しての

気持ちを心に封印した…


結婚しているし、これから恋愛をしても何も始まらないのはよくわかっていた。



最初は気が合う友達にしか思っていなかった関係が
次第に居心地よくなり惹かれていった。


でも、もう…その言葉で、すべて終わりだってわかったから、その日以来、毎日していたメールも送らなくなった。



何もなく、二週間が過ぎた夜、
俊樹の事を考えたら胸が苦しくて涙が出てきた…

メールをしても無駄だってわかってても何もしないほうが辛すぎて…………

ただ「おやすみ」ってメールした。

 

次の日、電話が来た。

「返すものがあるから取りに来て…」

一方的に電話は切れた

(返すもの?何?)不思議に思いつつ、
その夜、俊樹の家に向かった。



ニ週間会っていないだけなのに彼の笑顔を忘れかけていた。


「ピンポーン」

玄関のチャイムを押すと


ドアが開いた。


扉のむこうには、私の知らない冷たい視線の俊樹がたっていた。


「久しぶり。元気だった?毎日、会ってたから少しでも会わないと長く感じるよ…」


沈黙が怖くて必死に話そうとしたが
目を合わそうとしない彼の横顔をみて
大切な人と親友を一度に失った哀しみに
襲われた…









< 1 / 40 >

この作品をシェア

pagetop