BEST―FRIEND
目をつぶると、もう一度、唇を重ねた。

波の音を背に私たちはしっかり抱き合い、今までにない熱いキスを交わした。

気がつくと夕日はすっかり沈んでいて、辺りは暗くなってきていた。

俊樹はもう一度、軽くキスをすると『これからも、俺のそばにいてくれる?』と聞いてきた。

『当たり前でしょ…』


俊樹に手を差し出され海辺の海岸を二人で歩いた。

『海きれいだね』

『優みたいだな…』

『えっ?そのセリフどこかで聞いたことある…なんで?って聞いたら優をいじめるセリフ考えてるんでしょ』

ふて腐れながら砂浜に腰を降ろした。

俊樹は後ろから抱き着くと『違うよ………本当に優は海みたいに綺麗だよ。』と囁いた。
『本当に−??最近の海は汚染されてるのに…?でもありがとう』と俊樹の腕を掴んでギュッとした。
『この腕に抱かれて…朝まで過ごしたい』

『理性がきかなくなるから、ダメだよ』

『わかってる…でも好きなの……』

『俺も優を抱きたいぐらい好きだよ…』


『俊樹…優は今その言葉だけで満足だよ』


抱きしめられたまま時が止まってほしいと思ったのに現実を見つめる強さも必要だった。

『そろそろ、バイクに戻って帰るか…』

『うん……そうだね』


バイクの後ろにまたがり、しっかりと腰に抱き着いた。

『また二人で来よう…』

『うん、約束だよ』


俊樹と出会って信じる大切さを知った。
大切な人と離れて初めて愛の強さも知った。強くなることで自分の限界を知った。
離れることがないなら今の関係を、ずっと築きたいと思う。

俊樹・・・これからも、あなたは私の大切で大好きな
・・・BEST・FRIEND・・・

友達以上恋人未満

大切な何かを失わないための二人だけの絆。



PS:最後まで読んで下さりありがとうございました。









< 38 / 40 >

この作品をシェア

pagetop