王様の、言うとおり
感覚で分かります、どうすれば。
……見たくないと思う時に、そちらへ顔が向いてしまうのはどうしてでしょう。
回したくない首をゆっくりと動かして隣を見れば。
鞄からノートをバサッと取り出し机に投げ置いたキング。
『っ、』
平面の部分が机に当たって大きく音が鳴りました。
その音すらも周りには聞こえて無いのではと思う程、雑音が大きいですが。
も、物にお当たりになすった……!
「……初耳なんだけど。菜月チャン?」
目が合った瞬間、冷たい目が私を見ました。
本当に怖い。
怒りの目だ。
確かに私はキングに森田くんと会ったと言いませんでしたけど……。
『……言ってなかった、から。』
初耳なのはしょうがないことです。
だって言ってませんから。
言う必要も無いと思ったから。
だって森田くんには美味しい方のはしまきの出店に連れていって貰って買ったってだけだもん。