王様の、言うとおり



順番が来ないからしょうがない。

内心嫌な予感がしながら頷き返すと、急に森田くんは屈んで私の耳元に顔を寄せて来ました。

私も自然に声を聞こうと耳を傾けます。



「ここよりも、美味しいとこの方にしな?」


『え?』




何かを考える前に、す、とお金を握ったままの腕を掴まれて引っ張られ。



後3、4人で私の番だったのに。




列から出てしまい、振り返ると当たり前のように一歩後ろの人に詰められまして。

私の場所が……。

言葉に出来ず呆然と今いた場所を見つめた。

すーっと冷気が背中を。



頭の中にすぐにキングの顔が浮かんでしまいました。


遅い、と怒るキングの。




「こっちの方が美味しいから。」



そのまま連れられる私。

また最後尾に並ぶなら、美味しいって言う所にした方が良いのかな。



ま、いっか。



キングも美味しい方を食べたいよね。



そのまま足元だけ気を付けながら歩いて、さっきいた出店の少し先にある別のはしまきのお店に並びます。



< 72 / 600 >

この作品をシェア

pagetop