王様の、言うとおり
順番が来ないからしょうがない。
内心嫌な予感がしながら頷き返すと、急に森田くんは屈んで私の耳元に顔を寄せて来ました。
私も自然に声を聞こうと耳を傾けます。
「ここよりも、美味しいとこの方にしな?」
『え?』
何かを考える前に、す、とお金を握ったままの腕を掴まれて引っ張られ。
後3、4人で私の番だったのに。
列から出てしまい、振り返ると当たり前のように一歩後ろの人に詰められまして。
私の場所が……。
言葉に出来ず呆然と今いた場所を見つめた。
すーっと冷気が背中を。
頭の中にすぐにキングの顔が浮かんでしまいました。
遅い、と怒るキングの。
「こっちの方が美味しいから。」
そのまま連れられる私。
また最後尾に並ぶなら、美味しいって言う所にした方が良いのかな。
ま、いっか。
キングも美味しい方を食べたいよね。
そのまま足元だけ気を付けながら歩いて、さっきいた出店の少し先にある別のはしまきのお店に並びます。