王様の、言うとおり



『え、でも。』

「並ぶぞ。」

クッと服を掴まれて、ずんずん歩いていく。

「あ、先にどうぞ。」

「え、良いんですかー?」



並ぼうとしていた時に、ちょうど並びに来た浴衣のお姉さん方。



キング、譲ってあげました。珍しい。




「じゃーんけーんぽんっ、」




「うわっ、パー出せば良かった!」

悔しい顔をして立ち去っていくお客さん。

……出店のおじさん、じゃんけん強くないですか?

じいっとじゃんけんをしていくお客さんを見ているキングを見上げます。



『……ねぇ、』




「何。」

ちょんちょん、と服の裾を下に引っ張りながら話し掛ければ、私の方を見ようともせず答えるキング。

『さっき、私が勝てばって言ったけど、私がじゃんけんするの?』




「そーだけど?勝てよ。」


『や、私がするよりも煌がした方が良いんじゃ……?知ってますよね、じゃんけん弱いの。』






私はじゃんけんに弱い。




皆私が出すのを分かってるんじゃないかってくらいに勝っていく。




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