無邪気な欲望
先に約束してた子がいたから、イマイチな反応だったのか。
授業サボって逢う約束してるのはいけない事だけど、先輩の嫌そうな態度の原因については納得が出来た。
でも女生徒の方は素直に「はい、そうですか」ってワケにはいかなかった。
先輩が冗談めかして口にした発言が、彼女の神経を逆撫でしちゃったみたいだ。
いきない態度を豹変させて、きつい口調で咎め始めた。
「何それ! バカにしてんの? そんなバレバレの嘘!!」
「いや、嘘じゃないって」
「だったらここに連れて来なさいよ。そしたら諦めてやるわよ」
「……その言葉、忘れんなよ?」
そう告げると、彼女から視線を外し、私が隠れてる教室の後方へと歩き始めた。
雑賀先輩が約束してた相手もどうやらこの教室内に隠れてるみたいだ。
私と同じように机の下にでも入ってるのかな?
とりあえず女生徒にだけは見つからないようにする為、顔を引っ込めた。