四十階段物語




「え・・・」

「一度だけだ。六回振り向かなければいい話なんだから。俺は二回目になるが、この中でこんなことをする奴はもういないだろう」

「そ、そうですけど・・・」

「うん。私もそれが得策だと思う」

「え、ちょっと・・・」

「じゃあ、ビンゴは怖ければ見なくてもいい。俺とサクラだけで見る」

「そんな・・・っ」

「行くわよショウタ」

「ああ」



そして俺とサクラは同時に振りむいた。


・・・が、そこに見えるのはサクラの後ろ姿とビンゴの引きつった顔だけ。



「・・・い・・・」

「いない・・・」



ゴータは、いなかった。





            【残り 4回】




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