ハッピーエンド
4人はハッとしたように医師を見つめた。目が大きく見開かれ口が半開きになる。

「そ、そ、蘇生して下さい!何とかして下さい先生!人工呼吸とか・・・ほら、テレビとかで見る電気ショックみたいな・・・」

「私の心臓を移植して下さい!先生なら出来るでしょ?こんな大きい病院の偉い先生だ、何とか・・・何とかして下さい!血も・・・血も全部入替えたらいい、私は坊ちゃんと同じA型だから・・・」

パニックからか何度も同じ事を言う4人の悲痛な叫びを医師は黙って聞いた。それぞれが叫び終わり一瞬の間があくのをまって口を開く。

「司さんは全身打撲、頚椎の骨折・・・それに車両から発火した火災によって重度の全身火傷を負っていました。言い難いのですが、此処に来た段階で人相も何も分からない程の状態です」


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