月物語2 ~始まりの詩にのせて~
子州では、賊徒が蔓延っている。
州軍はいちをの賊徒討伐を行っているが、砂漠が厄介だった。
州軍が動けないのもわかる。
いや、動きたくないのか。
どちらにしろ、軍が不足しているのは明らかだった。
そのせいで、“国の2つの宝”が死ぬかもしれない。
明道は、何としてでもそれを阻止したかった。
砂漠を抜けて、ひたすら街道を走っていた。
砂漠で賊徒に襲われなかったのは、幸運だった。
預けていた馬を引き取り、駈けた。