穢れなき獣の涙
 確かに、珍しい取り合わせの一行かもしれないがアレサは、

「少しは真剣に考えた方がいいのではないのか」と無表情に思っていた。

「あんたがここに呼ばれた理由は解ったけどさ。それ、正直に話す気はないんだろ?」

 シレアはそれに肩をすくめる。

「説明したところで、信じてはもらえまい。こちらは相手の存在をまだ、確認してはいないのじゃからな」

 ユラウスの言葉にアレサは小さく唸りを上げる。

「でもさ、調べるってどう調べるんだろう?」

 ヤオーツェは首をかしげた。

「そりゃあ、魔導師たちの力を借りるんだよ」

「ううむ」

 ユラウスはしれっと応えたマノサクスを一瞥し思案する。

 新たな仲間を言い当てた、優秀な魔導師はすでにこの世にいない。

 残された魔導師たちで、どこまで正確に割り出せるのかは謎だ。

「考えたところで、なるようにしかならない」

 再度、すっぱりと言い放ったシレアにアレサたちは唖然としたが、そう言われてしまえばどうしようもない。
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