君が望んだ永遠



雪原があたしに何かを言いかけた。


しかし、それは女性の悲鳴によって掻き消された。



「キャ――――ッ!!!」



雨の音と共に、
悲鳴が辺りに響き渡る。



「な、なに……?」



「幸音ちゃん、俺の後ろに」



そう言って雪原は
あたしを守るようにして後ろにかくまった。




しばらくすると
黒い影がこちらへと迫ってきた。


その黒い影は高そうな鞄と
包丁を手にしている。



きっと、いや絶対に強盗だ。






< 74 / 194 >

この作品をシェア

pagetop