裸足のシンデレラ
…ゆっくりと幕が上がる。

あたしの出番はまだまだ。









「シンデレラ、シンデレラ。早く来なさい。」


…出た。里穂の超冷徹継母。


「はい、お母様。」

「私に2回も名前を呼ばせないで。
あなたの仕事はまずこの服の洗濯、大広間の掃除に私の部屋の掃除。
そしてランチの準備よ。分かった?」

「分かりました。」


…里穂…メイクのせいで余計怖い。
綺麗だから余計…怖い。


「里穂の継母怖ぇなぁ…。」

「分かる。あたしも全く同じこと思ってた。」

「つーか今更だけど魔法使いとかマジだる…。」

「ホントに今更なんだけど…っていうか何言ってんの!?」

「だるくね?何が楽しくてシンデレラに魔法をかけてやるんだか…。」

「何が楽しくてって…そりゃシンデレラに幸せになってもらいたくて…。」

「そっこが分かんねーんだよ。
なんで自分の手で幸せにしてやんねぇのかなって。」

「はぁ?」

「俺ならシンデレラを行かせねぇって話。」

「行かせない…?」

「っと俺、そろそろ出番だ。向こうの舞台袖行ってくる。」

「あ、うん。頑張ってね!!」



…瞬の言葉の意味が全然分からなかった。
なんでシンデレラを行かせないの…?

王子様にあげちゃうのが嫌だから…?
ってことは瞬の好きな子って…やっぱり…。


< 43 / 107 >

この作品をシェア

pagetop