裸足のシンデレラ
「真姫。」

「な…なに?」

「心臓、ドキドキしてね?」

「してないっ!!」

「あっそ。」


…嘘。ドキドキしてるのなんて自分でも分かってる。
それに…段々自分の気持ちが見えてきた。

あたしの理想とは違うけど、王子様みたいなんかじゃないけど…
それでもいいって思ってる自分がいる。


「真姫ー。」

「なーにー?」

「いい返事、期待してるから。」

「なっ…何よそれっ…。」

「今すぐ、じゃなくていいから。」

「……。」


瞬の言葉が不意に蘇る。


『お前にも多分、王子はいる。今は…お前が気付いてないだけ。』


「あたしの…王子様かぁ…。」

「お前の王子は間違いなく俺だから。」

「はぁ?」

「じきに気付くよ、お前。」

「…っ…!!」



悔しいっ!!すぐ反論できない自分がすっごく悔しい。
でも…確かにあたしはもう気付きかけてる。


< 67 / 107 >

この作品をシェア

pagetop