裸足のシンデレラ
「王子とシンデレラは別の場所で練習だったわね?」

「うん。今日はセリフ合わせだって。あとダンス…。」

「…そう。真姫、大丈夫?」

「え?」

「見るのは辛いんじゃないかと思って。」

「…そっ…そんなことないよっ!!
だって三橋くんと姫花ちゃん、すっごくお似合いだもん!!」

「……。」


里穂が複雑そうな表情を浮かべてあたしを見つめた。
…きっと里穂は分かってるんだ、あたしの気持ち。

自分で言っててこの様だ。
お似合いだって分かってて、お似合いだと口にして勝手に傷付いてる。

三橋くんと姫花ちゃんは…あたしと瞬みたいにこうして手を取って…今頃…。


「お前、やる気あんのか?」

「へ?」

「いーか?お前の頭ん中はあいつでいっぱいかもしんねぇけど、今お前の目の前にいるのは俺。
このまま本番で超無様なダンスをあいつに披露するハメになってもいいのか?」

「それはダメっ!!」

「じゃあ集中しろ。俺がリードしてやっから。」

「うんっ!!」



瞬との距離がぐっと縮まる。
瞬があたしを優しくリードしてくれる。



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