裸足のシンデレラ
* * *


「里穂ーっ!!いつの間にモデルなんかやってたの?」

「…なに?真姫…。」

「新聞に載ってたよ!!小嶋貴也って人の写真が優秀賞だって。
それでその写真も載ってて…里穂が写ってた!!」

「だって引き受けたもの、モデル。」

「えぇー!?ってか小嶋貴也さんって男の人だよね?里穂の何なの?」

「…自称彼氏、じゃないかしら。」

「えええええ!?彼氏!?里穂の好きな人ってこと!?」

「…嫌いじゃないわ。
彼氏になりたいっていうから、好きにすればって言ったの。だから自称彼氏、で間違ってないでしょ?」


ブーブー…
携帯がポケットで震える。
相手は何となく…分かってる。


「里穂!!やっぱ賞に入ってた!!やばくね、俺!!」

「…真姫から聞いた。おめでとう。」

「俺の技術がどうのじゃなくて、里穂の表情が良かったんだって!!
…本当にありがとな。お礼に今度なんかプレゼントする!!里穂のほしいもん買ってやるよ。」

「塾講師辞めたのに収入あるの?」

「賞金がある。」

「じゃあ高いものねだろうかしら。」

「任せとけ!!あ、でもさー俺にもなんかちょうだいよ?」

「私、バイトはしてないわ。」

「別に金かかったもんなんていらねぇよ。
そうだなー…里穂からキス…とハグで。」

「切る。」


ブツッ…。
…調子に乗り過ぎよ。あいつ。


「小嶋さん…から?」


真姫がおずおずと私に尋ねてくる。



< 94 / 107 >

この作品をシェア

pagetop