恋
「ハチ…大好きだったよ。
ありがとう。
ずっと側にいてくれて…
ありがとう。
幸せになってね。」
プシュー…ガチャン
私の声は全て聞こえていただろうか?
言葉と同時に扉が閉まった。
ハチを見ると、ウンと頷いている。
伝わったんだ
ゆっくり動き出す電車、ハチは少しずつ電車を追いかけた
まるでドラマのよう…
電車はどんどんスピードをあげていく
そしてどんどんハチとの距離は広がる
大きな口を開けて何かを叫んでいるのがわかった
その顔を見ただけで私はもう満足だった
この恋の終止符にぴったりの終わり方だ