さようなら


空港につくとカズくんが待っていてくれた


「ハチにはあえた?」

「うん」

返事を返して横並びに歩き出す

「本当にいいの?」

「え?」

私は鞄のなかからパスポートとチケットを取り出しながら話した


「本当にこのままハチとの恋を忘れる気?」

「…忘れられる保障はないけど…
でも、忘れないと次に進めないでしょ?」

「でも…」

「近くにいすぎて…言いたいこともいえなくて…
きっと2人は結ばれない運命だったと思う」

「そんな…」

「ハチが幸せになるには、私と離れることが一番なの。」

「え?」

「お互い…きっと、他の恋をしていないから引きずったの
だから、別々に歩いて新しい恋に出会うの
私にはそのために、日本を出ることが一番」

「…わかった。」

「ありがとう…来てくれて。」

「うん…」

「私…カズと付き合ってた時…本当にカズが好きだった。
ただ、17年間の恋は予想以上に手ごわかった…
ありがとう。また、一緒に遊ぼうね。」

「うん。」

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