「勘違いしてたんだよ…俺。
小さいころから隣にいたアイツを
勝手に自分の"モノ"だって思ってたんだと思う
外の男が手をつけたら、なんで?って…
アイツに問いただしたくなってたし、
俺以外の男を選んだことにもいっつも苛立ってた。

俺が、いつもアイツのそばにいて
俺が、アイツを笑顔にさせて
俺が、アイツを幸せにして
俺が、・・・俺がアイツを守るんだって

当たり前のように思ってた。」

一気にそう言い終わると、いつの間にか手は力強く拳を作っているのが目にはいった

俺、なに力んでんだろう?

「…あなたは、彼女が本当に好きだったんですね。」


彼女は、ニッコリと微笑みそう俺に言う…
俺はその笑顔が耐えられなかった


「確かに好きだったけど…
でも、やって良いことと悪いことがあるだろ?
それを、俺は守らなかった
それに、幸せにするって…守るって思ってたのに
俺があいつを傷つけたんだ」

遠い場所を見つめながら、
目には昔の光景が何度も映し出され


「後々に、引越しをすることになったアイツは…
最低過ぎる俺と会ってくれた
電車のホームまで送って、俺の気持ち伝えたんだ」

目が少しずつ熱くなって、俺はすぐに目を押さえた

「…好きって?」

「…『好きだった』って。」
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