ハチは誰がすきなの?

あの噂を信じてしまってもいいの?

期待を持ってもいいの?


言葉にできたい質問は、何度も自分のなかで繰り返されるだけだった。






―ある日のこと…

学校が終わり、一人で歩いて帰っている時だった。

何気なしに振り返るとハチがサッカーボールを蹴りながら一人で帰ってる姿を見つけた。

私は思わずハチの方に手を振り叫んだ。


「ハチー!」


その声にハチも気づいて笑顔で私を見た。
そして手を振って、ボールを蹴りながら立ち止まっている私の側にきてくれた。


「一人で帰ってんの?」

「うん…この辺に住んでるのウチとハチくらいやろ?」

「あー、そうやった!」

そうハチが言うと、私とハチは顔を見合わせて笑いあった。


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