「・・・んー。」

『…頑張りなよ!応援すっから。』

「え、でも…。」

『ハチって人、良いこと言うじゃん!
”想いは言葉にしなきゃいけない”
本当に…その通り…。』

「…今会っても、上手く喋れるかな?」

『大丈夫って思えば、大丈夫!』

「・・・うん。」

『よし!・・・あぁ~もう夜明けじゃん!』

「え?」
私はあわてて窓をあけた。

オレンジ色に染まる空・・・

『寝るか~』

「うん!ごめんね!」

『いいよ!じゃ、おやすみ』

「おやすみ!」


私はそう言って、電話をゆっくり切った。

外の景色は何年経っても変わらない。



ハチの家はすぐとなり。




なのに、どうしてこんなに遠いんだろう



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