「……」

正直、迷ってしまった。

自分の気持ちを見透かされていたことに動揺もしたし…
カズくんの気持ちを目の当たりにして、嬉しさと驚きでグチャグチャで…


「もしいいなら…俺の名前呼んでキスして?
無理なら…殴って…」

私はそう言うカズくんの顔を見た…
目が合ったと同時にニコっと笑い覚悟を決めたかのように
目を閉じて私の答えを待っている


この人は…わかってる。

この人なら…大丈夫かもしれない…



「カズ…」

私は背伸びをし、カズの唇へと自分を運んだ
そして何かを誓うようにキスをした…



ハチとの間で生まれた噂を何度も悩んで泣いた小学生の私も

ハチにできた彼女の存在に気持ちを無理矢理押し込めようとした中学生の私も


ハチと過ごした時間に流れた過去の自分を


きっとあなたら…

この恋に終止符を打ってくれる。


きっと…この人しかいない





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