願い事
嘘をついた
本当は嘘言いたくなかった
だけど、智城が幸せならそれでいいんだ
智城がようやく幸せになれたんだから
だったらそれでいいんだ
「幸せ?」
「そこそこ?まあ優しいよ、かなりね」
笑って見せる
無理な笑顔、愛想笑い
「...そっか。稔が幸せならそれでいい」
「....」
智城、気付いてる?
アンタ、寂しそうに笑ってんだよ?
彼女居るなら、もっと嬉しそうに笑いなさいよ
もっと自慢してきなよ
うち、そうしなきゃ吹っ切れれないんだから
今すぐに嬉しそうに笑ってよ
「じゃあ、もう行くね。急に来てごめん」
「いや、別に」
ベンチに目を向ければ嘉穂は居ない
あれっ?
周りを見れば、小さい子と遊んでる嘉穂