願い事


「アホ嘉穂...じゃあね、バイバイ」


「待てっ」


「...?」


智城がうちの腕を掴む


あの日と同じ...


別れを告げた時と同じだった


「もう、キスはしないよ?」


笑って言うけど、智城は笑わない


「分かってる。稔は、本当に幸せなのか?」


「....」


「稔が嘘つくとき、鼻が赤くなるんだよ」


「え...?」


なぜ鼻...?


とゆうか、どんなけうちは分かりやすいの?


「本当は彼氏も居ない、だろ?」


「...あぁ、そうだよ。居ないよ、そんなの」


「なんで嘘言った?」


智城がうちを真剣な目で見る


「ッアンタが幸せだから...うちなんかの心配をかけたくなかったの...ッ!!」


きっとうち、泣きそうな目をしてるだろう


「稔はね、告白されても絶対断ってるんだよ?」


「は?」


振り返れば遊んでたはずの嘉穂が立ってる








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