言葉~ことのは~【短編】
恋人と付き合い始めたのは三年前のことである。

恋人は、過去の私を知っている。


今まで誰にも言えなかった過去を、静かに根気強く私が喋りたいだけ聞いてくれたのは恋人だけだった。  

「私は、貴方を好きになったのだから、貴方の過去もそれに関わる人も好きにならなくてはいけませんね」  

初めて身体を重ねた時、恋人はそういいながら私の体中についた傷を愛しそうに指でなぞった。

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