狼かける吸血鬼<短>
ちょっと待て。
むかつく理由なんてこれっぽっちも無いぞ。
あいつが何時何処で誰の血を吸い散らかそうと、私には関係ない。
それどころかお腹いっばいになって、私の血を吸いたいとか吐かす事も減るかもしれないし。
なんだ!ラッキーなんだ!!
そかそか。
うん、さっきは可笑しかったんだ。
『羽ー瑠ちゃん』
「はい?」
背後からの自分を呼ぶ声に、椅子を引いて振り向くと…
「…!?」
『おはよう!』
だ、誰だこいつら…!!
そこに立っていたのは、『狼萌』と力強く書かれた、ハチマキをつける男子生徒の大群。
「な、な……」
目と口を開いては閉じ開いては閉じ…。
状況が掴めずに唖然とする。
『僕達“狼萌〜!羽瑠ちゃんを守り隊”のメンバーです!』
なんか変なのきたーー!!!!
笹木遥とは違ったタイプの変な奴ら!!
「え…あ…」
『あぁっ!耳が!耳が動いて…!なんと愛らしい!!!』
なななな何なんだ!!
私の周りに群がる男子達は、ズイズイと距離を詰め、上から覗き込んでくる。
『可愛いな…』
『あぁ可愛いな…』
『萌だ萌………』
『きゃるるん』
なんか最後に変なの交ざってるし…!
目が…目がイってる…!