狼かける吸血鬼<短>
『血くれ』
チュンチュン
『なぁ』
小鳥のさえずりが聞こえるなぁ…
『噛み付くぞこら』
目覚まし鳴ったっけ……
『いただきます』
チクッ
…………。
「……っっ何すんじゃぼけーー!!!」
チクッじゃねえよチクッじゃ。
「…何でいんの!?は?意味分からん!」
手で押さえるところに血の感触はない。
『俺様の朝食の邪魔をするとはいい度胸だな』
牙を光らせて私を睨むのは間違いなく奴……笹木遥。
『まだ刺さってもねぇのに騒がしいんだよ』
奴はだるそうに頭を掻いて、ベッドに腰掛ける。
私はと言うと、ベッドの端っこで布団に包まっている。
「はぁ?てか刺そうとするな!許可を得てからにしろ!」
先ずここにいる事の許可さえ出していない。
何で家知ってんのかも謎だし。
『許可得たらいいのかよ』
「そういう意味じゃなくて…!」
『おい、血吸わせやがれ』
見下した目で、腕を組んで、布団に包まる狼に迫る吸血鬼。
許可を取ろうとする態度には程遠い。
「狼は襲う側が性に合ってるんだ…!」
ガオーッてすんだよ。ガオーッって。
噛み付くぞガオーッ。
『何?俺の事襲いたいの?襲わせてやってもいいぞ。その代わり血1リットルな』
「だだ誰がお前の事襲いたいなんて言った…!馬鹿か!」
『じゃあやっぱり俺から攻撃って事で』
『おい、お前の事食わせろ』