君と私とときどき君と
「生まれつき…か。怪しいな。」
土方が顎に手を当て考え込む。
あぁ、もう。面倒くさい!
「もう何でもいいんで電話貸してください!あたしの携帯、電波悪いんですよ。」
「…はぁ?でんわ?なんだそれ。」
土方が気の抜けた返事をする。
近藤は沖田に携帯って何?と聞いている。
沖田は首を傾げ、心当たりはありません、と呟く。
「…電話を知らない…?どうなってんの?」
「その、でんわとは何か教えて欲しいのだが。」
近藤が不思議そうに尋ねる。
「ふざけるのも、いい加減にしてください!…電話、知らないんならいいです!他のとこ訊ねるんで!あたし、ここらへんでおいとまさせていただきます!」
そう言って実瑠は立ち上がろうとするが。
チャキリ。
「待て。」
土方に首筋に刀を当てられ、中腰で留まる。
「何…これ。模造刀?びっくりした、驚かさないで下さいよ、もう!」
そういって刀を素手で退かそうとするが。
ズパッ
「切ったぁぁぁあ!」
「当たり前だろ!お前馬鹿か?!馬鹿なのか?!」