君と私とときどき君と
「うん。今日転校してきたばっかなんだけどさ、何にしろ職員室の場所がわかんないんだよね。職員室の場所わかるなら教えて。」
職員室がわからないわけじゃないのでうなずく。
「よかった、職員室とか全く分からなくてさ。いろいろなところ行ってたどり着いたのがここで。」
「へー・・・。ていうか、転校生なの?!」
「今更?うん、まぁーそうだけどさ。俺、稲葉夕。稲穂の『いな』に、葉っぱの『は』で、いなばね。そんでゆうは夕方のゆう!」
稲葉はまた無邪気に笑った。
「稲葉・・・先輩?くん?タメ?」
「ああ、俺は中二だから。そっちは?」
「じゃあタメだね。あたしは桃山実瑠。桃色の山に・・」
「ああ、いいよ言わなくて。じゃあみのる。よろしくね。それとゆうって呼んで。」
「え、あ・・・うん、わかった。・・・ゆう。」
男の人を下の名前で呼ぶのは慣れていない。
実瑠は照れを隠すように立ち上がり、閲覧室を出る。
「職員室だよね。えと、あの、案内するからついてきて!」