ちぇりぃ★〜姉と弟の恋模様〜
───カサカサ


僅かに布のこすれ合う音で目が覚めた。


「果夜、先に起きてたんだ?眠れた?」


「うん…。寝れた…」


果夜は何を思っているのだろう。


弟と愛し合った事。


でも、怖くて気持ちを聞き出せない。


間違った勇気。


オレの事、好き?→こんな事する蒼斗なんて嫌い


そう言われたら。


今まで感じていた果夜の体温は、スッと氷のように引いてしまう。


だから聞かずに果夜の長い髪にキスをした。


「ゴメンネ、蒼斗…」


「…何が?」


「こんな想いさせて、こんな事させちゃって…」


「何で?後悔してる?オレは果夜を想っちゃいけない?」


「違う!そんなんじゃ、ない…。でも…これっきりにしよ?元の姉弟に戻ろうよ?」


元に戻る?


愛し合ったばかり、肌を重ねたばかり。


なのに戻る?


オレにはできねぇよ。


今だって、これからだって、やっぱり果夜が好きで。


毎日触れ合いたい。


けれど。


もし、オレがNOと言ったら。


きっと果夜は姉弟以上の壁を作るんだろうな。
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