白緑蝶"Ice green butterfly
「ううん
 もう、帰るからいい
 
 ありがとう

 それより、かっちゃん
 今、忙しい?」

「はい」

「そう、じゃあ
 ごちそうさまでしたって
 伝えておいてくれる?」

「はい、分かりました」

カランカラン・・・

閉まるドア。

時計は、もうすぐ正午を指す。

私は、職場の前を通り過ぎ
見慣れた道のりを歩く。

こんな時間に通いなれた道を
逆方向に、ゆっくり、ゆっくり
時間をかけながら歩く。

ただ、ぼーっと歩く。
< 65 / 999 >

この作品をシェア

pagetop