白緑蝶"Ice green butterfly
そして、窓ガラスに映る
自分の大胆な姿・・・

飲みすぎたお酒のせいなの?

こんな淫らな私が私の中に
存在していたなんて今まで
知らなかった。

ガラスに映る姿・・・

私は、ハッと我に代えり
右手で左腕を隠した。

貴方に気づかれた・・・

私でさえ、あの日から直視
できない自分の肌に刻まれた
醜い傷痕を、貴方に知られた

何かに囚われ、心ここにあらず
抱き合うことをやめてしまった
私の右手に、貴方はそっと
口づける。

そして、その手を腕から
退けさせ、左腕の傷痕に
優しく口づけてくれた。

「隠さないで
 
 おまえは、きれいだ」

貴方の、その言葉に、私の
瞳から涙が溢れた。
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