白緑蝶"Ice green butterfly
気にすることなんて無いって
ずっと思って生きてきた。

この傷を気にしている
かっちゃんやお姉ちゃんにも
自分が一番気にしてることを
気づかれないように隠して
生活してた。

本当は、自分が一番、この
傷のこと、嫌いなくせに

自分が一番、この傷を醜いと
思っているくせに

貴方の口づけで、貴方の言葉で
私は解き放たれた・・・

私の涙に、貴方は少し
戸惑っている。

貴方の手が、体が私から
放れそう。

私は、貴方の肩に両腕を回し
体と体を密着させた。

「鍵谷さん、やめないで
 続けて・・・」

「空でいい
 
 空って呼べよ」
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