彼岸と此岸の狭間にて
『最後の追込みね。お互い頑張りましょう!』               
「そうだな。目標は違えど歩む道は一緒(だったら良いなあ!)」

『えっ、何?』                 
「いや、何でもない…じゃあ、また」                   
『うん、また…』                            
(ふう〜っ!生の声より電話の方が艶[つや]っぽいよ…最後に向けて一踏張りといきますか!?)                                                               



『トントン…』                  
「お兄ちゃん、あのね…」

「お前さ、俺が返事をする前にドアを開けたらノックの意味がないだろう!?」            
「あっ、そっか!?でも、またそれもよろしからず哉(や)!」

「何、訳の分からない事言ってるんだ!!」                
「今日、亮君に教えてもらった」

(赤沢の野郎!)                
「で、用事は何?」               
「う〜ん、お兄ちゃん、受験生だし、元旦だし…」             
「どういう意味、それ?」            
「どうしようかな!?」             
「そこに立っていると寒いからドア閉めて入れ!」             
「うん」                    
美優は部屋の真ん中に『ちょこん』と正座する。              
「それで何だ?」                
「これで受験失敗するとまずいし…」                   
「だったら言うな!お兄ちゃん、もう勉強するぞ!」                                    

「お兄ちゃんに好きな人いる?って友達に聞かれたの、昔…」

「何だよそれ!?それに昔っていつだよ?」
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