Rose of blood
「お気持ちの整理がつくまで、お部屋を別にした方が宜しいのではありませんか?今のままですと、お二人共傷付くことになるかもしれませんよ」



俺の気持ちを見透かしているかの様にそう提案するカナリア。


だが俺は取り合う気はなかった。



『何を言っているのかよく分からないな』

「……さようでございますか。それではこの件に関して私が口を挟むのはこれで最後に致します」



部屋を出て行くカナリアの後ろ姿を見送り、ドアが閉まるのを静かに見届けた。






< 64 / 534 >

この作品をシェア

pagetop