オパール・オッドアイ
「ただいま~」

「お帰り、姉ちゃん。」

「どうしたの?琥珀。
こんな時間に起きてるなんて珍しい。」

「明日土曜日で特に予定も入ってないから夜更かし。」

「あぁ、そっか。
曜日の感覚無いからな~。」

「それで?
雪夜兄さんはなんて言ってた?」

「結局教えてくれなかった。
お前は知らなくて良いことだって。」

「…逃げたな。」

「?
そういえば雪お兄ちゃんから伝言の返事預かってるよ。」

「なんて言ってた?」

「鷹なら目の前にいるけど、みすみすご馳走を譲ってやる気は無い。
だって。」

「へ~。
なんか面白い状態みたいだね。」

「何が?」

「なーんでーもなーいです。
(姉ちゃんの知り合いなんて数えるしか居ないし、最近前よりも出て歩く回数が増えた事も考えるとやっぱり鷹はうさぎってやつか?
このまま雪夜兄さんと結婚まで一直線かと思ってたのにここに来てライバル出現か。
兄さんには悪いけど、姉ちゃんにも選択肢が増えたのは良いことだよな。
影ながら応援するか。)
そういえば父さん達から連絡あったよ。
俺が夏休みに入ったら別荘に行ってみたら?だって。
好きに使って良いらしいよ。
雪夜兄さんとうさぎって人誘ってみれば?
俺も会いたいし。」

両親は別々の会社に入りそれぞれ上の方の地位らしくお金には困っていなかった。
今は二人とも海外で仕事をしていて家に帰ってくるのは年に2・3回と少なくほぼ琥珀と二人暮らしだ。

家や服装が普通だから気づかれることは少ないがこれでちょっとした金持ちだったりする。

二人のおかげでプライベートビーチ付きの別荘を持っていたが私はここが嫌いだった。

二人が私を見ないためにがむしゃらに働いて出来たお金で買った私が異常であることの象徴。

でも今は違う。

「行く!
雪お兄ちゃんは来れるか判らないけどうさぎなら来るはず!
早速連絡してみるね!」

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