オパール・オッドアイ
ついでに報告もしておこうと思い立ちもう一言付け足す。

「しかも目見られちゃったの。」

「なっ!?
…お前は何も心配するな。
全部俺がなんとかしてやるからな!
大丈夫だ!ちょっと重し付けてす巻きにしてから広大な海原の中心に海水浴に行ってもらえば問題は万事解決だ!」

「あれ?
俺なんか死亡フラグたっちゃってる?」

「なんだ?
飛び込む勇気も無いのか?
男の癖に情けないな~。
仕方ない。優しい俺が後ろから押してやろうじゃないか!」

「いやいや!
そんなバンジー飛べない人みたいに!
しかも死ぬの確定だし!
優しさ微塵も無いから!」

「雪お兄ちゃん、なにも殺さなくても…。」

「聖歌は優しいな~!
でも大丈夫だよ。
海から上がれなかった人は皆人魚になって幸せに暮らすんだ。」
「本当?」
「どんなファンタジー!?
てか聖歌も信じないで!?
リアルに死ぬから!!
第一俺、海中で幸せに暮らしたくなんかないから!」

「も~!
雪お兄ちゃんてば、また私に嘘教えたの?」

「ばれちゃったか~。
聖歌は賢いな~。」

「俺放置して二人の世界に入っちゃうし!!」

「なんだまだ居たのか。
よほど海水浴したいらしい。
なんなら仕事終わったら連れていってやるから、それまでここで働くか?
接客と掃除とその他諸々だ。
俺は裏で聖歌の手当てと話し相手してくるから。」

「暴君だ…!
暴君がここに居る!!
しかもそれさぼる気満々だよね。
…とりあえずもうそろそろ夜が明けそうだから家に帰った方が良いんじゃない?
聖歌、家まで送ってくよ。」

「その必要は無い。
家まで姫を送るのは俺の役目だ。
お前はさっさと帰れ。
今日も学校だろ?」

「っ!はい…。」

悔しいそうに黙るうさぎを見下ろし勝ち誇ったように鼻で笑った。
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