夏の事。
ユラリユラリ……。
あかりが歩いてる状況を他人が見て形容するとしたら
まさにこの状況だった。
夜だけど。
ここまで人の顔も車のライトも、何も映らないのは初めてだった。
それでも、思わず高くそびえ立つ、この大都会の象徴であるタワーを見上げる。
時計は23時をまわっていた。
けど、あかりの目にはライトアップされていないように見える。
良く見ると周りも誰もあかりの目には何も映らない。
まだこんなに沢山人がいるのに。
こんなに電気が点いてるのに。
歩いてる人の顔があかりにはわからなかった。
それどころか、どんな服装をしていて、歩いてる人の性別さえも。
(……目の前が真っ暗になるって、こんな感じなのかな………。)
あかりは何だか自分の置かれている状況が、何だか自分の事ではないように感じていた。
そんな気持ちでいながらも、アヤトの家に着いてしまった。
(…なんて話そう…。わかんないよ…。どうしたら良いの?)
右手にバッグ。
左手に妊娠検査薬を握り締めているあかり。
意を決して、アヤトのマンションの中に入った。
あかりが歩いてる状況を他人が見て形容するとしたら
まさにこの状況だった。
夜だけど。
ここまで人の顔も車のライトも、何も映らないのは初めてだった。
それでも、思わず高くそびえ立つ、この大都会の象徴であるタワーを見上げる。
時計は23時をまわっていた。
けど、あかりの目にはライトアップされていないように見える。
良く見ると周りも誰もあかりの目には何も映らない。
まだこんなに沢山人がいるのに。
こんなに電気が点いてるのに。
歩いてる人の顔があかりにはわからなかった。
それどころか、どんな服装をしていて、歩いてる人の性別さえも。
(……目の前が真っ暗になるって、こんな感じなのかな………。)
あかりは何だか自分の置かれている状況が、何だか自分の事ではないように感じていた。
そんな気持ちでいながらも、アヤトの家に着いてしまった。
(…なんて話そう…。わかんないよ…。どうしたら良いの?)
右手にバッグ。
左手に妊娠検査薬を握り締めているあかり。
意を決して、アヤトのマンションの中に入った。