俺様彼氏と清純彼女~夢のおくりもの~
「今日は尚哉と一緒に帰りなさい。そして探すの。麻薬は、持ってるだけで罪になるから尚哉の部屋を、徹底的に探して。見つけたら直ぐに捨ててしまいなさい」

私と尚哉は二人でマンションに向かった。

「アロマキャンドルの香りだとばかり思ってた…」

「私も、ああ言う、香りの物だって、てっきり」

そして、私達は、マンションの前まで来た。しかし、既に遅かった。

マンションの前には数台のパトカーと警察官が数名。そして暫くして祐二さんが両脇を抱えられて連行されてきた。

その表情には、今迄私達に見せて来た優しい表情は無い。無精髭と窪んだ眼で若さが感じられない疲れた瞳は生気を失って虚ろだった。

「祐二さん…」

私は、思わず駆け寄ろうとしたけど尚哉に手をひかれてそれは叶わなかった。

呆然と見詰める私達に佐々木と名乗った刑事が近付い来た。

「彼が言うには、君達は関係ないそうだが、一応、署まで来てくれるかな」

尚哉は素直に「はい」と答えた。
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