俺様彼氏と清純彼女~夢のおくりもの~
少し線が細くなった様な彼女は、私達に気がつくと、ゆっくりと近づいて来る。

そして、私達の目の前に来ると、深く一礼した。

その姿を見た尚哉が小さな声で呟いた。

「沙羅…」

「ごめんなさい…って言っても許してくれる訳、無いよね」

沙羅の頬を一筋涙が伝う。そして再び一礼してから、彼女は私達の前から姿を消した。夕日が反射して、彼女の心の様にそれは煌めいた。

彼女に会ったのは、それが最後だった。

少年法の壁は、彼女の行方すら消し去ってしまったのだ。

唯一残されたのは、私の脇腹の傷跡だけだった。

私は思った、彼女が幸せになれます様にと…

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