俺様彼氏と清純彼女~夢のおくりもの~

†誓いの日

「条件…ですか?」

尚哉がそう言って、顔を上げた。

「ああ、そんなに難しい事では無いよ、一般的に常識的な事だ」

「はい…」

「結婚は、学校を卒業して、社会に出て、経済的に自立してからと言う事で良いだろう」

「はい、それは…分かりました」

「それまでは、私達を、本当の両親と思って、甘えてくれて構わないよ。息子が出来た様で、私はちょっと嬉しいと思う」

お父さんはそう言って、にっこりと微笑んだ。お母さんが行った通り、案ずるよりなんとかだと言う事だ。

全てが旨く行った。安堵の空気に包まれて、私の瞳から、ぽろぽろと涙がこぼれ出た。

そして、私は尚哉と見詰め会う。

その視線の向こうには、互いに、明るい未来だけが見えて居た。

◆◇◆◇◆◇

私は、更に勉強に熱を入れた。

成績は順調に上がって行って、尚哉に追いつく直前まで辿りついた。
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