『霊魔伝』其の弐 火の章
《零次朗殿。この結界の中には亜絽摩耶様の社の他に、これらの五つの社がある。それぞれが霊魔の持つ五つの属性を象徴しておる。五つの属性とは、木火土金水の五つじゃ。ここでは零次朗殿の持つ能力の属性を磨く事になる。通常はひとつの属性が力の核となり、他の属性を支配する。ただし、属性の使い方次第では、能力を出し切れないことになる。場合によっては、能力を打ち消されてしまう事もあるので、しっかりと修行して身につけなければならない。小太郎、おまえはずっと零次朗殿と一緒であったから、属性がわかっておるのか。》

《いいや、わからん。不思議なことに零次朗は固有の属性を未だに出していないのだ。》

「属性って、自分の得意なことか。なら、水泳が得意だし、水じゃないかな。な、小太郎。」
零次朗は小太郎に言った。

《確かに零次朗は泳ぐのがうまい。けど、それと属性は別なのだ。》

「そうなのか。属性とはどういうものなんだ。」
零次朗は首をひねった。

《ふぉ、ふぉ。まだ零次朗殿は開眼しておらぬのじゃ。わからなくともよい。これからの修行で、わかってくるからの。》

「小太郎、おまえの属性は何だ。」

《俺か、俺は金の属性。まだ零次朗には、見せていない力がある。それに今の姿は、本当の姿ではない。》
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