『霊魔伝』其の弐 火の章
《これからしばらくは、零次朗殿をエントラに預ける。おまえは一緒にはいけぬ。》

《わかっている。零次朗が戻るまで待つ。》
小太郎はそう言って社の横に座った。

「小太郎、悪いな。すぐに戻れるさ。さぁ行こう。何処にでも連れて行ってくれ。」

零次朗は覚悟を決めた。

エントラは笑うと社の戸を開けた。

《では、一緒に行こう。ここが入り口だ。》

エントラに続いて零次朗は社に入った。
戸を閉めると中は暗く、何も見えなかった。

突然小さな炎が現れた。

ひとつ、ふたつと増え、零次朗を囲むように五つになった。

どこからかエントラの声がした。
目を凝らして周りを見たがエントラの姿は見えない。

《これから五つの属性について説明する。まずはそれを理解してもらう。そして霊魔の存在の根源まで遡る話になり、それを完全に理解できた者だけが霊魔使いの資格を得る。五つの属性は、木火土金水の五つから成るのは知っているな。それはこの世の真理を象徴する属性であり、それを理解し使いこなすことがこの修行の目的でもある。》

「五つの属性か、それは具体的にどんなものだ。エントラは木の属性と言ったが、木の属性とは・・・。」

《あわてるな。少し難しいかも知れぬが、良く聞けばわかる。頭で理解しようとするな。心に描くのだ。感じることが大事なのだ。》

「わかった。神経を集中する。」

零次朗は目を瞑った。
そして今のこの状況を心に思い描こうと集中した。

すると心の中にボッと五つの灯りがともった。
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