『霊魔伝』其の弐 火の章
《佐緒里が言っていたことがある。ちょうどおまえを身ごもったときだった。このおなかの子は、一族の人ではない普通の人の中で生きて欲しいと。
一族の絆は非常に強い。しかし、それは掟というものに縛られている強さでしかない事を知っていたのだ。
一族以外の信頼を得る機会はなかなか無いからな。それでおまえを普通の世界に置いたのだろう。
佐緒里は、こうなることを予期していたのかも知れない。》

「かあさん。」
零次朗は涙が出てきた。佐緒里の気持ちが伝わってきたのだ。

《零次朗。感傷に浸っている時間はない。
続けるぞ。
エネルギーには、様々な性質や傾向がある。それを属性といい、五つに分けられる。

俺は木の属性。木の属性はエネルギーを常に内に秘めており、他のエネルギーを吸収して、それを最大限まで育てられる。そしてそのエネルギーを他に分け与えることができる。

それはエネルギーのままでも、物質化してでもできる。その特徴は攻撃的ではないが、エネルギーをサイクルとして無限に扱える。

つまり、時間さえあれば、エネルギーを無限大に増幅できるのだ。ただ、パートナーである人の許容量を超えることはできない。越えれば人は燃え尽きてしまう。

次に、火の属性。この属性は、エネルギー自体を使うことはできないが、自分が引き金となってエネルギーを活性化できる。

つまり相手の持つエネルギーや自分が持つ物質のエネルギーを制御することができる。

木の属性と火の属性は非常に相性がよいので、攻撃的な最強の組み合わせとなる。

土の属性。この属性はエネルギーを吸収し蓄えて、そのエネルギーを洗練することができる。エネルギーは『物を動かす能力』といったが、その能力をより強くするのだ。

わかりやすく言うと、同じように見えても軽油とガソリンとは燃え方が違うだろう。ガソリンの方が燃えやすく火力が強い。

そういう意味で土の属性は、石油の精製と似ている。エネルギーの精製といえば良いのか。

本来はもっと複雑なのだが、特徴を理解できるように簡単に言っているのだ。ここまでは理解できたか。》

「大体はわかったつもりだ。それで、次の属性は。」
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