『霊魔伝』其の弐 火の章
《金の属性。これは小太郎がそうだったな。

金の属性の特徴は、エネルギーを固定化する能力であることだ。それはつまりエネルギーの安定、エネルギーを物質化することにつながる。

火の属性とは、逆の能力だ。火の属性はエネルギーそのものを活性化するが、金の属性はエネルギーを固体に変える。それは、相手のエネルギーも固定化できるので、エネルギーを断ってしまうことにもなる。

俺のような木の属性を持つ霊魔は、金の属性の霊魔とは争いたくないと言うのが本音だ。

最後に水の属性だ。この属性は内に秘めたエネルギーを自在に操れるのだ。

しかし、自分のエネルギーだけしか使えないので、どれだけの器を持っているかが能力の目安となる。器と言っても目に見える大きさではない。エネルギーを制御できる能力と言うことだ。この属性は鍛えれば鍛えるほど能力は強くなる。

人の内部には無限といえるほどのエネルギーが存在している。それをどれだけ引き出せるかがこの属性の真の能力となる。

逆に言えば、相手の能力が上ならば、相手の属性に支配されてしまう。

以上が五つの属性の特徴だ。あくまでも基本であり、これらが複合的に絡み合い、人や霊魔の個性がでてくるのだ。》

「結構複雑だな。それで、その属性と霊魔と人の関係はどうなっているか教えてくれ。」

《人は遺伝子によって支配されている。
遺伝子とは、人を形作る情報であり、どんな環境にあっても、すべての人類が滅んでしまわないような仕掛けがしてあるのだ。

その仕掛けのひとつが個性。様々な個性によってその内のひとつでも、環境の変化にも耐えられるようになっているのだ。

個性は、五つの属性の組み合わせが、組み合わさったもの。

霊魔はいわば自然の中のエネルギーであり、環境でもある。

つまり、元々人と霊魔は一心同体であり、そのバランスの基本が五つの属性による相性であったのだ。

しかし、人類の進歩や科学の発達などでそのバランスが崩れ、変異体が生まれるようになった。

それが霊魔であり、零次朗の一族のような能力者たちだ。この状況は極めて深刻なのだ。このままでは、人も霊魔も共倒れになってしまう。》
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