『霊魔伝』其の弐 火の章
「奥深い話なんだな。思ってもいなかったことだ。確かに言われてみれば、思い当たることがたくさんある。」
零次朗は、新聞やテレビなどで報道されていた自然破壊や環境汚染の問題を思い出した。
《そうだ。人も気がつきはじめている。しかし、人の力だけでは、もうどうにもならないところまで来ている。
自然界には崩れたバランスを元に戻そうという作用がある。初めは小さいが、それが重なり合い共鳴しあって、大きな波となって自然界が大変動を起こす。
今までもその作用は、様々な形で起きてきた。
天変地異、戦争、公害、奇形児の誕生。宗教の誕生もそのひとつ。
宗教家が起こした奇跡は、霊魔を使ってのこと。人を導こうとする自然界の流れの中から聖者が生まれてきた。》
「イエス・キリストも釈迦もそうだったのか。確かに、今の日本では、妙な現象が次々と起きているみたいだし。人の心も変わってきているようだ。こんな俺にも、日本が変わりつつあるのは何となく伝わってくる。」
《霊魔と人の関係が良い方向なら聖者が生まれてくる。
しかし、今の人類は霊魔を感じることができなくなってしまった。自然界が霊魔を使って人に働きかけても気づかないことがほとんどなのだ。
だから自然界は、バランスを取るために、邪魔者となった人間を排除する方向に動き始めた。
それに乗る霊魔たちがいるのも事実としてある。独裁者として多くの人を殺害したのも、霊魔が裏にいる。》
「何故霊魔が人を殺すんだ。自らの存在を失うのではないのか。そんなことをする霊魔もいるのか。」
零次朗はこぶしを握りしめた。心には映画を見ているように戦争の映像が映し出されている。銃を構える兵士たち。逃げまどう人々。泣き叫ぶ子供。燃え上がる街。
《陰の世界でも、陽の世界でも、霊魔の善悪と人の善悪は違う。
人々は、自分たちの欲望に駆られて善悪を判断する。
しかし霊魔は自然界のバランスを保つ方向を中心に善悪を判断する。本来はその判断基準は同じだったはずなのに。
零次朗、おまえの一族は自然界に選ばれた一族なのだ。
それは自然界のバランスを読む力を与えられて、そのバランスを維持する宿命を持つ一族なのだ。》
零次朗は、新聞やテレビなどで報道されていた自然破壊や環境汚染の問題を思い出した。
《そうだ。人も気がつきはじめている。しかし、人の力だけでは、もうどうにもならないところまで来ている。
自然界には崩れたバランスを元に戻そうという作用がある。初めは小さいが、それが重なり合い共鳴しあって、大きな波となって自然界が大変動を起こす。
今までもその作用は、様々な形で起きてきた。
天変地異、戦争、公害、奇形児の誕生。宗教の誕生もそのひとつ。
宗教家が起こした奇跡は、霊魔を使ってのこと。人を導こうとする自然界の流れの中から聖者が生まれてきた。》
「イエス・キリストも釈迦もそうだったのか。確かに、今の日本では、妙な現象が次々と起きているみたいだし。人の心も変わってきているようだ。こんな俺にも、日本が変わりつつあるのは何となく伝わってくる。」
《霊魔と人の関係が良い方向なら聖者が生まれてくる。
しかし、今の人類は霊魔を感じることができなくなってしまった。自然界が霊魔を使って人に働きかけても気づかないことがほとんどなのだ。
だから自然界は、バランスを取るために、邪魔者となった人間を排除する方向に動き始めた。
それに乗る霊魔たちがいるのも事実としてある。独裁者として多くの人を殺害したのも、霊魔が裏にいる。》
「何故霊魔が人を殺すんだ。自らの存在を失うのではないのか。そんなことをする霊魔もいるのか。」
零次朗はこぶしを握りしめた。心には映画を見ているように戦争の映像が映し出されている。銃を構える兵士たち。逃げまどう人々。泣き叫ぶ子供。燃え上がる街。
《陰の世界でも、陽の世界でも、霊魔の善悪と人の善悪は違う。
人々は、自分たちの欲望に駆られて善悪を判断する。
しかし霊魔は自然界のバランスを保つ方向を中心に善悪を判断する。本来はその判断基準は同じだったはずなのに。
零次朗、おまえの一族は自然界に選ばれた一族なのだ。
それは自然界のバランスを読む力を与えられて、そのバランスを維持する宿命を持つ一族なのだ。》