おしえてください、先生。
正面でも恐怖で身体が固まってしまうのに、隣なんて近すぎてきっと震えちゃう。
絶対無理……。
「無理ではねぇだろ……。はぁ、わかった。俺がこっち座るから。正面だと逆にやりにきぃんだよ」
雄悟先生はそう言って、長方形のテーブルの角を挟んだ私から見て右の短辺の方に移動する。
正面より少し近くなる気もするけど、斜め前だとあまり威圧感がなくて良いかも……。
そう思って、元いたところに戻る。
「まぁ、男嫌い直すっつっても、俺、中学生には興味ねぇから。手は出さねぇから、安心しろよ」
「なっ」
「そのかわり、俺に惚れんなよ?」
「!!!!」
た、頼まれたって、好きになったりしないもん!
それに、何が安心なの? 手出すって、へ、変なことするってこと?!
私が中学生じゃなかったら、手出してるの?!
「さ、とりあえず勉強だな。南、一番最近の模試の結果見せて」
今度は真剣な顔で言う雄悟先生。
仕方なく先月の模試結果を出してきて見せるけど……。
な、なんなの? この先生、なんか変っ!
こんな先生なんて、聞いてないよお母さん……!